ドラクエ7をやった感想
初見プレイ 魔王を倒したので感想を書く、弱いネタバレあり
なんでもうまくいくわけじゃない
各面での村や街での登場人物たちのエピソードが、ハッピーエンドだけでないというのがまずいい
ご都合主義的でなく、現実ってそうだよねと納得させられる要素が詰め込まれている
もちろんハッピーエンドなエピソードもあって、ますます説得力がある
ところどころで垣間見えるテーマが”自分の気持ちと社会の目”という風に見えてそれもよい
数世紀後の後日談
タイムリープをしているので、その後どのように過去のエピソードが後世の人々に伝わっているのか、または文化として定着しているのか(いないのか)を見るのおもしろい
世間の人々には誤解されたまま語り継がれているエピソードもあって、プレイヤーは歴史の真実を知っている人になれる
一代で財を成した努力家の子孫は放蕩息子だったりする諸行無常な感じのエピソードもある
人生のハイライトは一度だけではない
基本的なタイムリープは何世代も飛躍するようなものだが、例えば過去に遡ってとある村Aの問題を解決して、別の面でまた別の村Bの問題を解決しようというとき、Aの数十年後という時代設定のときもある
そのとき、Aで理想的な展開になれなかった登場人物Xが、Bで活躍したり、BでAのときに抱えたXのわだかまりが解消したりする
つまり、ときを重ねることで解決するようなことを目の当たりにすることができたりする
これもまた趣が深い
パーティマネジメント
各エピソードの質が高いというのに加えて、パーティの激しい変化というのも別の趣がある
パーティのメンバーは、なんとなくもともと持っているオリジナルな資質があって、覚える呪文や特技に偏りがある
大別すると攻撃、補助、回復の3つで、それに沿った形で育成し、戦略を立てたくなる(少なくとも私は)
しかし、いい感じに仕上がってきた、あるいはそれなりに勝ち筋が見えた段階でメンバーの予期せぬ脱退というイベントが待ち受けている
しかも、各メンバーの脱退の理由が、自分のやりたいことや大切な家族の優先のためなど、“自分の気持ちと社会の目”の対立のなかで自分の気持ちを優先させるようなもので、ここでも一貫したテーマが立ち上がってくる
そこにはトレードオフがあるのだ
パーティという領域に限定して考えると、戦略上メンバーの脱退は困るのだが、もっと大きな枠組みで人生がある
さながら転職や長期休暇で突然退職してしまうメンバーのようで、思わず想いを馳せてしまう
そうはいってもやっぱりドラクエ
と、とても人生が散りばめられた素敵作品なのだが、ドラクエらしいエッセンスももちろん残っていて、王道なナラティブに身を委ね、勇者の冒険譚を思う存分楽しむことももちろんできた
おもしろかった